市民・患者、医療従事者、AI技術者が対象
AIDEプロジェクトは、医療にかかわるすべての人が、対等に議論できる場を目指しています。
AI技術によって解決が期待される現在の医療の課題や、AI技術を開発・使用する際に取り組むべき課題には次のようなものがあります。
市民・患者の視点による課題
- 診察や検査を受けるのに、長時間待たされがち
- 医師がパソコン画面ばかり見ていて、話しづらい
- 適切な診断が付かずに困っている
- 治療方法が確立されていない
医療従事者の視点による課題
- カルテをパソコンで入力するのに時間を取られてしまう
- 画像診断で見極めが難しい部分がある
- 病気の説明をするときに、ついつい専門用語を使ってしまう
- 治療方法が確立されていない希少疾患への対応に困っている
AI技術者が持つ課題
- AI技術が医療者にとって使いやすいのかどうかが、わからない
- 実際に患者に使ったときに、患者がその技術に対してどう感じるかがわからない
- AIだから何でもできるはずと、医療者や患者から過剰な期待をされてしまう
関係者が対等に話せることを目指して
現在の医療では、依然として医師の専門性に従い治療方法を決めることが多いですが、最近では、患者の立場と生活の質(QOL)がより重視されるようになり、医師と患者の関係性が変わってきています。そのため、よりよい成果を生むためには「患者と医療従事者との意思決定の共有」、「患者中心のケア」、「患者の関与」などが重要となってきています。
ひとりひとりの価値観や視点を尊重しながら、正すべきは正し、認めるべきは認める。
現代の医療には対等なコミュニケーションによる、相互の納得感や信頼感が欠かせません。
AIDEプロジェクトは「AI技術と医療」というテーマに対して、関係者(患者・市民・医療従事者・AI開発者)が意見を述べるだけではなく、AIDE プロジェクト自体の進行や研究から生まれる成果に対しても関与する機会を設ける、いわば新時代の医療研究プロジェクトです。
患者・市民として、いずれは自分に身近となるAI技術を用いた医療について、関係者と対等に話し、勉強し、信頼を持って医療を受けられるように……AIDEプロジェクトに参加して考えてみませんか。
具体的な参加方法は今後、本ウェブサイトからお知らせします。
対話の基本となる知識を提供
話し合いの前提には、基本的な知識の共有が必要です。お互いが歩み寄り「AI技術で医療をよくしていくこと」という同じ目標に向かって歩みます。
そのために、AIDEプロジェクトでは、AI技術と医療について、さまざまな立場の方に知識や情報を提供する活動も行っていきます。
また本サイトには、プロジェクトでよく使われる「用語集」を掲載します。