AI(人工知能)技術を使う医療に対して
理解を高め、意見を交わせる場を作る

AI技術を使う医療とは

AI技術を医療の現場で使う取組みが進みつつあります。

医療の進展によって、人類はさまざまな疾患を克服してきました。しかし、いまだ解決していない疾患に対して、AI技術は人の力をサポートし、さらなる医療の発展が期待できます。

今後、病気の発見から治療を迅速に行うには、AI技術の活用が欠かせなくなるでしょう。

AI技術を医療の現場に使う目的はさまざまですが、はっきりと改善が期待できる点を挙げます。

より早く、より精密に  

医療者個人のスキルだけでなく、AI技術を使うことで、より早く、より精密に病気の発見、診断、予測、治療を行うことが可能になると期待されます。

例:画像診断、予後予測、診断支援に用いるAI技術

時間を作る

多くの医療者が大量のタスクを抱え、ひとりひとりの患者に対して十分な時間を取りづらくなっています。AI技術は、医療者の負担を減らし、本来時間をかけるべき業務に集中できるようになることも期待されています。

例:AIアシスタント、音声認識、自然言語解析、表情認識などのAI技術

AI技術は、医療の高度化だけでなく、患者と医療者がともに向き合う医療を実現できる可能性を持っています。
こうした背景から、AIDEプロジェクトは誕生しました。

AI技術で、本当に望ましい医療を実現できるか

AI技術が、患者・市民にとって本当に望ましい医療を実現することに貢献できるかどうかは、この研究の重要な課題です。

これから広がる「AI技術を開発する医療」は、医療者や開発者から一方的に提供されるのではなく、市民や患者が開発段階から医療現場への導入の段階まで積極的に関わることで、信頼と納得が醸成され、より適切に、安心して使えるものに育てていくことができるのではないでしょうか。

AIDEプロジェクトでは、医療者や市民、AI技術設計者などが積極的にかかわり、AI技術を使ったよりよい医療を育てるための場(プラットフォーム)を設計することを目指しています。

AIDEプロジェクトに参加・参画し、あるべき医療をみんなの力で作り上げていきませんか。

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国際連携を進める場として

AIDEプロジェクトは、イギリスのオックスフォード大学との共同研究です。国際的な視点からAI技術を使う医療について情報を交わし、世界中の人々がAI技術を活用した医療のメリットを享受できるよう研究を行います。

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さまざまな専門家の観点を取り入れた研究実施体制

AIDEプロジェクトは大阪大学・オックスフォード大学のどちらにおいても、人間科学、医療に関する倫理・政策、法学、情報学、医学など、さまざまな分野の専門家が参画して研究を進めています。イギリス・日本の連携も緊密に行います。

両国とも、市民・患者を含む外部有識者によるアドバイザリーボードを設けます。

さらに、それとは別に患者・市民参画パネル(PPIP:Patient and Public Involvement Panel)を立ち上げます。従来の研究者のみを中心とする研究プロジェクトとは一線を画した体制により、成果の妥当性や質の担保を目指します。

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AIホスピタル研究と連携

大阪大学医学部附属病院は、AIDEプロジェクトとは別に、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」として研究を進めています。一部の研究者は両プロジェクトに参加しています。

AIホスピタル研究とAIDEプロジェクトは、相互補完しながら成果を出すことが期待されます。

<大阪大学医学部附属病院で進めている医療活用に向けたAI技術>
  • 音声認識・自然言語解析による入力支援など
  • 画像・センサー認識による検査支援など